城崎温泉の西村屋本館は、江戸・安政年間に創業した老舗旅館です。公式サイト上では、客室・料理・館内施設のいずれにも服装の指定は確認できません(2026年10月時点)。到着時はきれいめカジュアルで十分で、チェックイン後は客室に用意された浴衣に着替え、部屋食の夕食もそのまま浴衣で過ごせます。
この宿で服装を考えるうえで押さえておきたいのは、城崎が旅館の浴衣と下駄で温泉街を歩く温泉地だという点です。西村屋本館の公式サイトでも、城崎の街を「ゆかたと下駄でめぐり歩く」外湯めぐりが紹介されています。滞在中の服装は「到着時の私服」「館内と温泉街の浴衣」の2つに分けて考えると迷いません。
※本記事では公式サイトの情報に加え、予約サイトの掲載情報や宿泊レポートを参考に服装の目安を紹介しています。施設が定めたルールと、編集部が勧める目安は本文中で区別して記載しています。
目次
西村屋本館に公式ドレスコードはある?
公式サイトの料理案内・宿泊規則・宿泊プランの注意事項に、服装に関する指定は確認できません。
客室には浴衣が用意されています。近畿日本ツーリストの予約ページでは、客室設備として「ゆかた」のほか「羽織」「丹前」も掲載されています(提供時期は宿へ確認を)。
滞在の流れと服装の切り替え
チェックイン後は浴衣を中心に過ごせるため、滞在中の着替えは少なめにできます。チェックインからチェックアウトまでの流れは次のとおりです。
| 場面 | 内容 | 服装 |
|---|---|---|
| 到着 | JR城崎温泉駅から徒歩約15分、または旅館組合の無料バス(要事前連絡)。車は門を入るとスタッフが駐車場へ回送 | 私服(きれいめカジュアル) |
| チェックイン後 | 客室へ案内され、浴衣に着替える。チェックインは15:00〜18:00 | 浴衣 |
| 館内の大浴場 | 吉の湯・福の湯、平田館の尚の湯。15:00〜24:30、翌朝5:30〜10:30 | 浴衣 |
| 外湯めぐり | 外湯パスポート対象の6湯へ徒歩2〜12分 | 浴衣+下駄(寒い時期は羽織りものを重ねる) |
| 夕食 | 客室での部屋食が基本 | 浴衣 |
| 朝食 | 朝食会場「泉霊」で和食または洋食 | 服装指定の記載なし(詳細は下記) |
| チェックアウト | 11:00 | 私服 |
※チェックイン時刻・食事の提供場所はプランにより異なる場合があります。予約時の案内でご確認ください。
場面別|服装ガイド
到着〜チェックイン
到着時の服装はきれいめカジュアルで十分です。城崎温泉駅から歩く場合は温泉街を約15分歩くため、歩きやすい靴を選んでおくと楽です。
館内へは玄関で靴を脱いで上がります。脱ぎ履きに時間がかかる編み上げブーツより、ローファーやスリッポン、紐を緩めずに履けるスニーカーのほうがスムーズです。
外湯めぐり・温泉街の散策
客室の浴衣のまま、下駄で温泉街に出かけられます。公式サイトでも、浴衣に着替えて下駄で温泉街をめぐるのが城崎の伝統的なスタイルと紹介されています。宿から最も近いまんだら湯は徒歩2分、御所の湯と鴻の湯は徒歩5分、一の湯は徒歩8分です。
宿泊者には6つの外湯(鴻の湯・まんだら湯・御所の湯・一の湯・柳湯・地蔵湯)を利用できる外湯パスポートが用意されています(入湯税とは別に入浴料が加算される旨がプラン案内に記載。料金・運用は変更される場合あり)。外湯は地元の人も使う公共浴場で、営業時間と定休日は湯ごとに異なります。
鴻の湯は長寿命化工事のため2026年10月27日まで休業し、10月28日に営業を再開します(城崎町湯島財産区の案内)。駅前の「さとの湯」は2024年3月末から長期休業が続いています。出かける前に、各湯の休館日もあわせて確認しておくと確実です。
夕食(部屋食)
夕食は客室での部屋食が基本で、浴衣のまま食事ができます。公式の宿泊プランでも、月替わりの会席料理を「お部屋にてご用意」と案内されています。食事のために私服へ着替える必要はありません。
朝食(朝食会場「泉霊」)
朝食は、2022年に大広間から改装された100畳の朝食会場「泉霊」でとります。和食か洋食を予約時に選ぶ形式で、入口横の厨房で料理人の仕事を見ることができます。
公式の料理案内・宿泊プランには、朝食会場の服装指定や浴衣利用についての明記は見当たりません。浴衣で朝食をとりたい方は、チェックイン時に確認しておくと安心です。
ロビーラウンジ「青月廬」・庭園
ロビーラウンジ「青月廬」は、公式サイトで「湯上がりにくつろぐ」場所として案内されています。日本庭園を眺めながら但馬の歴史書や美術書を手に取れる空間で、湯上がりに浴衣のまま立ち寄れます。
チェックアウト
チェックアウトは11:00です。出発前に私服へ着替えます。チェックアウト後に城崎の街を歩いたり、外湯にもう一度入ったりする場合は、着脱しやすいニットやシャツを選んでおくと外湯での着替えが楽です。
到着時の服装はどこまでカジュアルで大丈夫?
到着時の目安は、温泉街をそのまま歩いて自然に見える服装です。以下は編集部が勧める服装例です。
男性
- オックスフォードシャツやリネンシャツ+チノパンまたはウールのスラックス
- 秋冬はクルーネックのニットにネイビーやグレーのパンツ
- デニムなら、色落ちやダメージ加工のない濃紺のストレート
- 靴はローファー、スエードのスリッポン、白や黒の単色レザースニーカー
女性
- ブラウス+ワイドパンツ、またはミモレ丈のスカート
- コットンやウールのワンピースにカーディガン
- 靴はフラットシューズ、ローファー、ローヒールのパンプス
- 雪の時期は裾が濡れにくいパンツに、脱ぎ履きしやすく、防水性と滑りにくい靴底を備えたショートブーツ
避けたほうが過ごしやすい服装
施設側が禁止しているわけではありませんが、編み上げブーツやストラップの多いサンダルは玄関での脱ぎ履きに手間取ります。館内は浴衣で過ごせるため、私服の枚数は宿泊日数や城崎以外の旅程に合わせて決めれば足ります。
子連れ・ファミリーの利用について
西村屋本館の宿泊は10歳以上が対象です(2024年4月1日から、公式サイト記載)。10歳未満の子どもを連れた旅行では、徒歩約10分の姉妹館「西村屋ホテル招月庭」の宿泊条件を確認してください。
10歳以上の子どもの服装に特別な決まりはありません。到着時は普段着で十分です。子ども用浴衣のサイズは予約時に伝えておくと当日スムーズです。
よくある誤解と注意点
「旅館の浴衣で外に出るのはマナー違反」
→ 城崎では、宿の浴衣と下駄で温泉街を歩いて外湯をめぐるのが伝統的な過ごし方です。西村屋本館の公式サイトでもこのスタイルが紹介されています。
「客室のお風呂も温泉」
→ 城崎温泉では温泉資源を守るため、露天風呂付客室を含む個人占有スペースのお風呂は沸かし湯(白湯)です(公式の客室案内・プラン案内に記載)。温泉に入るなら、館内の大浴場か外湯へ浴衣で向かいます。なお、公式サイトで案内されている貸切露天風呂は姉妹館「西村屋ホテル招月庭」の有料施設です。
季節のワンポイント
冬(12月〜2月):松葉がにのシーズン(11月上旬〜3月末)と重なる時期です。城崎は雪が降る日があり、外湯めぐりは浴衣の上に丹前やコートを重ねて出かけます。雪や雨で濡れた路面を下駄で歩くと滑りやすいので、足元に不安がある方は防寒用の靴下と、到着時に履いてきた靴を使う選択肢も考えておくと安心です。到着時は厚手のコートと手袋を。靴は男女とも、ローファーやスエード素材より、防水で滑りにくいものが雪道に向いています。車の場合は冬季に高速道路や国道が雪で通行止めになることがあります。
夏(7月〜8月):浴衣1枚で温泉街を歩ける季節です。外湯の湯上がりは汗が引きにくいため、浴衣の下に吸湿性のある肌着を着ておくと快適に過ごせます。
春と秋は日中と夜の気温差が大きく、夜の外湯めぐりには羽織が1枚あると重宝します。
持ち物チェックリスト
浴衣は客室に用意されているため、持っていく服は移動日の私服と季節の防寒具が中心になります。
| カテゴリ | アイテム | 備考 |
|---|---|---|
| 私服(男性) | シャツorニット+チノパンやスラックス | 枚数は旅程に合わせて |
| 私服(女性) | ブラウス+パンツ、またはワンピース+カーディガン | 雪の時期はパンツスタイルが楽 |
| 靴 | ローファー/スリッポン/レザースニーカー | 玄関で脱ぐため脱ぎ履きしやすいもの |
| 肌着 | 浴衣の下に着る吸湿性のあるインナー | 外湯めぐりの湯上がりに快適 |
| 防寒具(冬) | 厚手のコート、手袋、厚手の靴下、防水で滑りにくい靴 | 雪の日の到着と外湯めぐりに |
| 小物 | 巾着や小さめのバッグ | 外湯パスポートやスマートフォンを持ち歩く用 |
服装の選び方|まとめ
押さえておくのは、玄関で脱ぎ履きしやすい靴と、季節(特に冬の雪と寒さ)に合わせた上着の2点です。
男性|迷ったらこれ
白かサックスブルーのオックスフォードシャツ+ベージュのチノパン+スエードのローファー。秋冬はシャツをネイビーのクルーネックニットに替え、ウールのコートを重ねます。雪の時期は靴を雪道に向くものに替えてください。
女性|迷ったらこれ
春〜秋は無地のブラウス+ワイドパンツ+フラットシューズ。雪の時期はパンツはそのままに、靴を防水で滑りにくいショートブーツに替え、腰が隠れる丈のコートやダウンを合わせると、濡れた路面の温泉街でも歩きやすくなります。
西村屋本館の基本情報
| 正式名称 | 城崎温泉 西村屋本館 |
|---|---|
| 住所 | 〒669-6101 兵庫県豊岡市城崎町湯島469 |
| アクセス | JR城崎温泉駅から徒歩約15分。旅館組合の無料バスあり(到着時刻を事前に宿へ連絡) |
| 車の場合 | 大阪から中国道経由で約2時間20分、豊岡出石ICから一般道で約18分。駐車場無料(門を入るとスタッフが回送) |
| 創業 | 江戸・安政年間 |
| 客室 | 客室タイプ17種(平田館の特別室「銀扇」「蓬莱」「観月」を含む)。2026年6〜8月の改装工事で6室を和洋室へ改装(公式告知) |
| 平田館 | 昭和35年(1960年)、数寄屋建築の名匠・平田雅哉が手がけた別棟 |
| チェックイン/アウト | 15:00〜18:00 / 11:00 |
| 食事 | 夕食は部屋食が基本、朝食は朝食会場「泉霊」(和食または洋食) |
| 温泉 | 大浴場「吉の湯」「福の湯」、平田館「尚の湯」(塩化物泉)。宿泊者は外湯パスポートで対象6湯を利用可(各湯の休館日は要確認) |
| 年齢条件 | 2024年4月1日から10歳以上(公式サイト記載) |
| ドレスコード | 確認した公式案内に服装指定の記載なし(客室に浴衣あり) |
| 電話番号 | 0796-32-4895(予約専用ダイヤル 9:00〜19:00) |
| 公式サイト | nishimuraya.ne.jp/honkan/ |
※食事の提供場所・外湯の運用・宿泊の年齢条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトまたは予約時にご確認ください。

